この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験談を元に作成したものです。
という方むけの記事です。難しいアンサンブルもコツを掴めば合わせることができるようになり、楽しめます。ポイントをおさえながら楽しんでいきましょう!
アンサンブルをする上で大切なポイントは3つ
今回はオーケストラなど大人数のアンサンブルではなく、特に室内楽や弦楽アンサンブルなどで使えるポイントをご紹介します。しかしながら、オーケストラでも通づるところもありますので、参考にされてくださいね!
アンサンブルをする上で大切なポイントは3つあります。
- 自分の音ではなく相手の音を聴く
- タイミングはブレスで合わせる
- 全体の構成を大切にする
一つずつ解説していきます。
自分の音ではなく相手の音を聴く
自分の音ではなく相手の音を聴くことは本当に大切なことです。よく、
と思ったらそこのことばかり考えたり、自分が弾けているか、弾けていないかに目をとられがちですが、大切なことはあなたが弾けているかではなく、隣の人と一緒に弾いた時にどのような音が鳴っているかをしっかりと聴くことです。
アンサンブルは一人で弾くのではなく、みんなで弾いて完成する音楽です。せっかく隣の人と一緒に弾いているのですから、自分の音が交わった音をしっかりと聴いて音楽を自分ならどのように運んでいきたいかを一緒に考える必要があります。
あなたがアンサンブルをするときに弾けていないところがあるのならそれはあなたの準備不足です。しかし、それはそこまで問題ではありません。弾けていないなと思ってアンサンブル全体の音が聴けていないのならそちらの方が問題です。弾けていないところはみんなに任せておうちでしっかりと練習すると決める方が大切です。
タイミングはブレス(呼吸)で合わせる
タイミングをよく目でザッツを見て合わせたりする人が多いですが、それでは遅くなってしまいます。なぜなら、目で見て脳に伝達して弾くという作業では必ず相手よりも遅くなってしまうからです。
とても優秀なコンサートマスターはそこも全て計算してザッツを出した後で0.1秒ぐらい遅く出ることでぴったりと合わせたりしています。が、室内楽の小編成ではそうはいきませんし、アマチュアのオーケストラなどでそんな優秀なコンサートマスターは存在しません。
そこでできる合わせる方法は相手のブレスと合わせることです。
ザッツを出す人はザッツを出すと必ず直後に息を吸います。そして音を出す。その息を吸うタイミングを必ず合わせるのです。そうすると自然と同じタイミングで音を出すことができます。特に室内楽などの小編成アンサンブルではとても大切な技術です。
全体の構成を大切にする
細かいタイミングや、テンポに乗り遅れているなぁーといったその時々の諸事情は弾いている間にたくさん出てくると思いますが、一番大切なのは全体の枠組みです。
という提案はよく音大生でも見受けられますが、ナンセンスです。
全体をこうしたいから、全体で見た時にここのテンポがこっちの方がいいのでは?という提案ならわかるのですが、CDで聴いたのを鵜呑みにするのでは全く楽譜が読めておらず意味がありません。
楽譜をしっかりと読んで(あなたの目の前のパート譜ではなく必ずスコアを)自分で読んで、どんな全体像を表現したいかを考えて細かいところを調節するのが大切です。
アンサンブルのさらなる上達の為に
上記のポイントをおさえることでアンサンブルはさらによくなると思いますが、作曲家の意図を読む、楽譜を読むという点では下記の記事がおすすめです。
特に表現の項目にも詳しく書いてありますのでよろしければご覧ください。