この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験を元に、絶対上達するバイオリン教本の選び方を解説します。
という方の疑問にお答えします。
ヴィオラのおすすめの教本をお探しの方はこちらをご覧ください↓
Contents
バイオリン教本の絶対上達する選び方とは?
まず、バイオリン教本には種類があります。大まかに分けて2種類です。この二種類を知っておかなければ、上達しません。
・スケール(音階)教本→演奏技術の基盤を取得するもの
・エチュード(練習用曲)教本→
スケールで取得した演奏技術を曲に生かすための練習曲集
音階は音階教本で、その他の技術はエチュード教本で取得するのが上達する秘訣です。
たまにエチュード教本にスケールが載っている場合もありますが、基本的にはスケールとエチュードの教本は別々で揃えるべきです。
エチュード教本の紹介
まずエチュード教本のオススメを難易度、レベル順に紹介していきます。
★☆☆初心者向け
鈴木鎮一バイオリン指導曲集 Vol.1
本当に世界中で愛されている教本です。最初に収録されているキラキラ星変奏曲は、プロのバイオリニストの99%は弾いたことがあると言っても過言ではありません。よく初心者向けでカイザー教本も一緒にあげられますが、カイザーよりも楽しい曲が多く、弾いていて飽きない内容になっています。付属CDを聞くことにより取得が早くなります。また伴奏のみのCDが付いているので自宅でピアノ伴奏付きで練習ができます。
1巻が終わったら2巻〜8巻まで取得しましょう。8巻までいくと中・上級者です。9.10巻はモーツァルトの協奏曲ですのでもはやエチュードとは言えないでしょう。もし9.10巻をやるなら、同じ内容で余計な弓や指がかいていないベーレンライター版をお勧めします。
9巻と同じ曲のベーレンライター版↓
モーツァルト : バイオリン協奏曲 第5番 イ長調 KV 219
10巻と同じ曲のベーレンライター版↓
モーツァルト:バイオリン協奏曲 第4番 ニ長調 KV 218
カイザーヴァイオリン練習曲(1)
先程話に出たカイザーも余力があってできそうであれば、教本のお値段も安いですし購入しておいて損はないです。
新しいバイオリン教本1
もしスズキメソードの教本が自分には簡単過ぎるなぁと思う方は、スズキの8巻分を6巻までに集約したような、新しいバイオリン教本をおすすめします。6巻はかなり上級者向けですので注意!
★★☆中級者向け
クロイツェル教本42エチュード
初心者向けで紹介した、スズキメソードの3、4巻ごろからクロイツェルを並行してやると効果は高いです。スケールをちゃんとやりながら、クロイツェルを繰り返し最後までしっかりとやると、メンデルスゾーンのコンチェルトぐらいまでなら弾けるようになります。
クロイツェルを練習するときは下の記事も一緒にご覧になりながら練習するとより効果的です!
パガニーニ24のカプリス
リサイタルなどでも演奏される機会が多いほど、曲としても名曲。しかしながらその難易度はかなり高く、1曲譜読みするだけでもヘトヘトになります。(笑)
特に、カールフレッシュの3、6、8、10度の重音や、1弦での音階などの基礎力を強化しておかないと敵いません。
楽譜はこちらの原典版がおすすめ。注釈アリとナシが2冊組になっていて勉強になります。
スケール教本の紹介
続いてスケール教本のオススメを難易度、レベル順に紹介していきます。
★☆☆、★★☆初中級者向け
小野アンナヴァイオリン音階教本
最小限の内容が要領よくまとめられており、国内の多くの教室で使用されている教本です。難しすぎず、スケールをやるには最適な教本です。
フリマリーヴァイオリン音階教本
小野アンナに飽きちゃったなーという方は同等レベルでフリマリーもおすすめです。
★★★上級者向け
Carl Fresh Skalensystem(カール・フレッシュ スケールシステム)
難易度が高く、練習していても途中で力尽きてしまうようなむずかしさです。音大の入試にも出るので受験生には必須本!
この本を全てちゃんとマスターできれば、パガニーニレベルの協奏曲まで弾きこなす基礎を身につけることができます。
さらなる上達を目指す方に
スケールとエチュードのほかにもっと演奏技術を取得したい!というストイックな方におすすめなのはセヴシックバイオリン教本とバイオリンBasics基本練習300です。
セヴシック バイオリン教本
セヴシックは正直、楽しい!という練習ではなく根気が必要な物になりますが、バイオリンを弾くための大事な全ての技術が網羅されており、全て練習すると10冊以上になります。その中でも特によくやるのはOp.1、Op.8、Op.9ですね。もちろん全て練習することができれば一番良いですが、時間のない方は以下のように、自分にあったセヴシックを選ぶと良いです。
Op.1→初めてセヴシックを始める方
Op.8→ポジション移動を特化させたい方
Op.9→重音を強化させたい方
ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300
こちらは比較的新しい教本です。内容としては家庭の医学のような、「あー喉が痛くて咳が出てるのは病状は…」と探すような感覚で、「音程を安定するには?」といった疑問を目次で探して、それを取得するための練習法が書いてあります。
しかしどちらかというと教える側の先生向け教材とも言え、生徒の「できない」に対してどの処方箋を出せばいいかを教えてくれるような本です。生徒さんでももし絶対的な悩みが決まっている人は解決策が書いてあるかもしれませんので、ぜひ見てみてください。
バイオリンのおすすめ教本まとめ
バイオリンの教本は正しい物をしっかり選んで、正しい使い方をすれば必ず上達します!