この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験談を元に作成したものです。
という方向けの記事です。この記事を読むことで各肩当てのメリット・デメリットがわかり、あなたにぴったりの肩当てを見つけることができます。
ランキングではなく、肩当ての選び方を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
このバイオリンの肩当ておすすめランキングは20年以上バイオリンを弾いてきた筆者が総合的に考えて、独断と偏見で決めたランキングです。
決して「この肩当ては良い」「この肩当ては悪い」というものではなく、あくまで私の好みに一番フィットしたランキングとしてご理解いただきます様よろしくお願いいたします。
Contents
1位:ピラストロ・コフカーレスト
ピラストロ社から販売されたコフカーレストという比較的新しめの商品です。私もこれを使っています。
コフカーレストのメリット
最高品質のメイプル材を使用しており、音も華やかでとても良いです。肩当てによっては音色を抑えられてしまう感じがするものがありますが、ピラストロ・コフカーレストにはそれがありません。
そして私が驚いたのはなんと言っても軽いこと!今までの肩当てが鉛のように感じるほど付け心地が軽いです。20年以上バイオリンを弾いてきましたが、こんなにも軽く付け心地の良い肩当ては初めてです。肩当てが軽いだけで、左肩に余計な力が入らず程よい力加減で構えることができます。
また、付属のレンチで脚の角度を自由に調節できる上、なんと木製ながらプレートのアーチ形状も手で曲げることが可能です。
という方には特におすすめの商品。プレーヤー1人1人の体型にジャストフィットした調節が可能です。私としては音よし、フィット感よしの文句なしの肩当てです。
あまりにも力づくでやってしまうと折れる可能性もありますので、調整の際には丁寧にされた方が良いです。
コフカーレストのデメリット
しかしそんなベタ褒めのピラストロ・コフカーレストにもデメリットはあります。私の考えるデメリットは3点。
- レンチの使い勝手が悪い
- 値段が高い
- 入手しづらい
まずは先ほど言った調節可能なレンチの使い勝手が難しいということ。肩当ての足の組まれかたが少し特徴的な為、どこを調節すればどうなるかを掴むまでに時間がかかります。どうしても難しい場合は楽器店や習っている先生に相談する必要性があります。
また値段が高いデメリットに関しては少し深刻です。
販売された当初は2万円程度の金額だったのですが、「これは良い!」という口コミが広がりすぎて楽器店でも欠品続き。欠品が続いたことにより値段もどんどんと上がり現在3万円代後半〜6万円後半で販売されています。
また日本では入手しづらい為、インターネットで注文して海外からの輸入を待つ為2〜3週間ほどかかることもあります。待たずに比較的安い値段で買えた場合はラッキーと思うぐらいがちょうど良いかもしれません。メルカリなどのフリマアプリでもなかなか出品されない為、安く見つけることができたら即買いをおすすめします!
個人的には値段のネックさえカバーできれば是非使ってみてもらいたいおすすめの肩当てです。
2位:KUN Bravo(ブラボー)
世界中で最もスタンダードな肩当てKUNの上級者用。またスタンダードなKUNのOriginalをベースにメープル材を使用するなど音へのこだわりも見受けられます。
KUN Bravoのメリット
足幅、高さ、角度などの微調整が出来るブリッジタイプで、自分に合わせた調整をすることが可能です。
1位で紹介したピラストロのコフカーレストほどではないですが、音も良く、構えた際も違和感など発生せず使いやすい肩当てです。
という方の導入としてもおすすめですし、
という方にはもってこいの肩当てです。
KUN Bravoのデメリット
値段的にも手が出しやすく、この価格帯の中では一番優秀なKUN Bravoですが、あえてデメリットをあげるとすれば、劣化がわかりやすい点でしょうか。
KUN Bravoには木の部分とクッションの部分が接着されています。もちろん弾く頻度にもよりますが、人によっては1年〜数年でこのクッション部分が剥がれてしまう人もいました。あとは使いすぎるとこのクッション部分がだんだん削れてきて丸くなります。
もちろんどの肩当ても使えば使うほど劣化もするのですが、クッション部分が剥がれてきた場合は接着剤で対応するなど、修理も見込んだ対応が必要になってくるかなと思います。
1 位のピラストロ ももちろんクッション使用で劣化しますが、予備クッションが楽器店で購入できたり、クッション面積が狭い点からも私はBravoよりもピラストロがおすすめです。
3位:マッハワン Mach One
マッハワンMach One肩当てとは、ヴァイオリン製作者であるカナダのピーター・マッハ氏が設計、製作している肩当てです。木製肩当ての中では先駆け的存在で、すでに定番商品となっています。
マッハワンのメリット
1位2位の肩当てと同じく、メイプル材を使用しています。音色が良く、1位のピラストロ と同じく、響きを邪魔しない作りになっています。音だけで言うと2位のKUN Bravoよりも良いと思います。
また木に貼ってあるパッド(肩に当たる部分)も滑り止め効果があり、フィットしやすいです。もし自分の肩と楽器の形に合いそうならピラストロと似た効果で高いコストパフォーマンスをえられるかもしれません。
マッハワンのデメリット
音色が良い反面、かなり特徴的な肩当てですから肩の形に上手くフィットしない可能性が高いです。現に私の友人でもマッハワンの肩当てが合ったという人は5人に1人ぐらいの主観があります。
また貼ってあるパッドがだんだん経年劣化と共にズレてきます。(私は最終的に全部剥がして一度接着剤で止め直しました)
そして致命的なのは肩当ての足の部分が楽器にフィットしづらい為に、楽器を傷つけやすいという点です。
なぜかこのマッハワンの肩当て、足の部分がめちゃめちゃ滑るんですよね。良く弾いている時に肩当てがガタンとズレたりする方がいらっしゃいますが、たいていマッハワンだったりします。
その場合そのまま使用すると危険ですので可能でしたらご自身がお持ちのKUNの足を付け加えるなどの対処をされると良いです。
上記のKUNをお持ちじゃない場合は、足だけの購入も可能ですのでお好きなサイトで【肩当て バイオリン 足】などで検索すると良いです。 ただKUNやVIVA LA MUSICAなら足がハマると思いますが、他の足の場合ハマるかは確認してみる必要があります。
また足を交換することによってマッハワンの音色もまた少し変わってしまいますので、そこも考える必要があります。
ランキング外の肩当てはどうなの?
と思うかたも多いかもしれません。一般的に良く売られている肩当てに対して私が言うのであれば以下のようなイメージです。
Viva La Musica(ビバラムジカ)→足の部分が安定しにくい、経年劣化でカチャカチャ音がする。
KUN Collapsible→足が畳めるようになったことにより、経年劣化で倒れやすい。楽器が危ない。
KUN Original→初心者の方におすすめですが、わざわざ買うほどではない。初心者バイオリンセットに付けてもらった方が良い。
Voce→カーボンは良い音と書いてある記事もありますが、やはりメイプル材には勝てません。同じ値段でメイプル材とカーボンなら私は絶対メイプルを買います。
ざっくりですが私はこのような意見です。
おすすめバイオリン肩当てまとめ
肩当て選びって難しいですが、1つ変えるだけで音も変わって面白いですよね。