楽器・備品

バイオリンの選び方|相場はどれぐらい?選ぶポイントをプロが解説

この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験談を元に作成したものです。

バイオリンって何を基準にいくらぐらいのものを買えばいいのかな?大体の値段が知りたい!

といった疑問にお答えいたします。

バイオリンの値段はいくらぐらいを選べばいい?

バイオリンの値段はいくらぐらいのものを選べばいいのでしょうか。「バイオリンを買おう!」と思った人がまず最初に思いつく疑問だと思います。

バイオリン講師
バイオリン講師
初心者バイオリンは20万円以上の手工品じゃないと
楽器屋さん
楽器屋さん
少なくとも100万は出さないとちゃんとした音なんて出ないよ

と、専門の人でも多種多様な意見があります。

私はバイオリンを弾いて生計を立てていますが、上記の意見は極端な意見だなと思っています。別に20万円や100万円を出さずとも綺麗な音を奏でてくれる楽器はたくさんあります

自分がどれぐらいのレベルを目指しており、どういった音を奏でたいかによって値段は変わってきますので、自分のレベルを見極めることが大切です。

初心者用 3万円〜20万円

初めてバイオリンを購入する方によくおすすめされるのは20万円以上の手工品。手工品とは手作りで作られたバイオリンのことです。

しかし私は初心者の方がわざわざ20万円以上の手工品を買う必要はないと思います。工場で大量生産された7万円以下の物でも非常に優秀な楽器はたくさんあります。

実際に弾いてみてよかった楽器を私自身生徒さんにおすすめしていますが、初心者の生徒さんが購入する楽器は54,000円、予算的にオーバーな生徒さんには36,000円ほどのものをおすすめしています。

その楽器でレッスンしていますが全く問題なく、レベルアップしていくことが可能です。

20万円以上の手工品をおすすめするバイオリン講師はの理由は主に2つです。

・自分が今まで手工品しか弾いたことがない

・高い楽器を生徒に売ることで楽器店からマージンがもらえる

ショッキングかもしれませんが事実はこうです。

今まで手工品しか弾いて来なかったバイオリンの先生は、工場生産のものの質が最近上がってきていることを全く知りません。

バイオリン講師
バイオリン講師
中国製なんて絶対やばいでしょ!変な楽器持ってきて全然レッスンできなかったら困るから、とりあえず20万円以上にして

というのが本音です。また、楽器店からマージンをもらっている先生も数なくありません。

生徒にこの楽器を買わせるので何%はください

というものですね。いわゆる紹介料です。楽器自体安い買い物ではありませんから、楽器店としても紹介料を払ってでも自分の店で買ってもらった方が良い訳です。

ちなみに1万円の物はボンドで駒がくっついていたりペグがくっついていたりして、弾くことや調弦すら困難な楽器もありますので、おすすめしません。3万円払ってもそういった粗悪品も中にはありますのでしっかりと選びましょう。

初心者におすすめのバイオリンランキング|プロバイオリニストが選ぶおすすめのバイオリンを知りたいですか?このページではプロのバイオリニストが実際に使ってみた経験談を載せました。これを見るとあなたにぴったりのバイオリンが見つかります。 ...

中級用 20万円〜100万円

中級者になって初めて20万円以上の手工品がおすすめです。この時点での中級者とはスズキメソードバイオリン教本でいう、4巻〜10巻あたりをさします。

この辺りになると、練習している曲もレベルアップし、ポジション移動も多くなり、曲として表現することが求められてきますので、手工品の楽器を使うことでよりレベルアップすることができます。

ただ、20万〜100万円といってもかなり音と値段のバランスの幅はあります。この図をご覧ください。

一般の人は、10万円ずつ楽器の値段が上がる度にクオリティもどんどん上がると、このグラフのように思われている方がほとんどだと思います。もちろん、20万円以下の楽器でしたらおおよそ値段に比例してクオリティが上がっていくのも事実です。

しかし、プロが考える値段と楽器のクオリティの関係は上の図のとおりなのです。つまり20万〜40万ぐらいは大体同じようなクオリティ、50万〜70万は大体同じようなクオリテイィといった具合です。

もちろんこの値段の幅は、楽器店によっても変わりますので、20万〜50万は同じようなクオリティという場合もあります。

つまりこのクラスになってくると値段で選ぶというよりも、音を重視する方が良いでしょう。

20万から40万が大体同じクオリティなら20万の楽器にした方がよくない?

と思う方も多いと思います。

しかし、手工品で作られた物はそういった単純な物ではなく楽器は一期一会ですので、20万円でハイクオリティな物に出会えればそれはそれでラッキーですし、40万円で20万円ぐらいの物しか並んでいない楽器店も多々あります

難しいことではありますが、しっかりと自分の耳で楽器の値段に囚われず好きな音色を探すことが大切です。

上級・音大受験用 100万円〜1000万円

上級・音大受験用となってくると100万円を超えるものを持っている人が多くなります。もちろん上級の方でも30万円ぐらいの楽器でとても上手な方もいらっしゃいますので、基本的に20万〜80万円の中でしたら、わざわざ上級者になったから買い換えなきゃという必要はありません

音大受験となると少し事情は変わってきます。もちろん30万ぐらいの楽器で音大を受けて合格する人もいますが、やはり多い価格帯は私立音大で平均300万円、国立藝大で150万円ぐらいだと思います。

私立音大は学費もかなり高いですので(医大レベル)楽器にお金がかけられる余裕のある家庭が多いです。そのため、楽器の値段も300万円ほどが多く、中には1,000万円を超える楽器を持っている学生もいます

結局実力は楽器の値段ではありませんので、どんな楽器を持っても自分次第です。

プロ用 100万円〜数億円

プロの中でも楽器の値段は千差万別です。

教えるのが専門のプロでしたら、学生の時に使っていた楽器をそのまま使う方も多くいらっしゃいます。

また、オーケストラに所属しているような人も基本的にオーケストラ(一部オーケストラを除く)は給料も高くはありませんからそんなに高い楽器は買えません。皆さん学生の時のをそのまま使うか、お金をためて500万〜1,500万円ぐらいにレベルアップされる方が多い印象です。

ソリストやオーケストラのコンサートマスターになると格段に楽器の値段は跳ね上がります。なぜなら大手企業や楽器店が所有している数億円する銘器を貸してもらうことができるからです。

中には値段も付けられないような楽器の貸与を受けている奏者もいらっしゃいます。

バイオリン選ぶ基準5選

それでは値段がある程度わかったところで、値段以外ですとバイオリンは何を基準に選べばいいのでしょうか?

初心者の頃は値段だけで決めてしまっても良いと思うのですが、中級者以上は値段だけで決めてしまうのは危険です。

私が考えうるポイントは以下の通りです。

  • 音色・響き
  • 全体の鳴りのバランス
  • 弾き心地
  • 自分の弓との相性
  • 見た目

音色・響き

音色は「こういう音色がいいですよ!」という基準はなく、とにかく自分の気に入った音色を選ぶべきです。

また、音色だけでなくその音の響きにも着目する必要があります。

実は楽器屋さんは楽器がたくさん置いてあって非常に響きやすい環境です。つまりいい楽器に感じやすいのです。中級者以上の楽器でしたら持ち帰って試奏が可能ですので、必ず試奏の段階で広い場所(できればホールなどが望ましい)で、先生や楽器を弾く友人など、わかる人に響きを聞いてもらいましょう。楽器店で弾くと響きがよくてどの楽器もよく聴こえてしまいますので、家庭で狭い場所で弾いて響きの違いを感じることも大切です。

そば鳴りといって、弾いている本人にはとても鳴っている楽器のように聞こえても、遠くで聞いている人には何も聴こえないという楽器もあります。もちろん本人の弾き方のせいもあるのですが、そういった楽器を買ってしまわない為にも事前に借りて広いところで試奏は大切です。

全体の鳴りのバランス

楽器の全体のバランスも大切です。この線だけ突出して聴こえる、この音だけ鳴りが悪い、という楽器にも注意が必要です。

重音なども弾いてみて、バランスをしっかりと聴きましょう。

弾き心地

弾き心地はある程度大切です。あまりにも弾きにくい楽器は選ぶべきではありません。ただし、

すごく良い音なんだけどネックが太くて弾きにくいのが難点なんだよなー
良い音なんだけど、駒が高くておさえにくいんだよねえ

といった場合には、ネックを細くする、駒を下げるなどは職人さんにお願いすれば可能な修理ですので音色が気に入った場合は、そういったことも視野に入れましょう。

ただし何か調整を加えすぎると、それはそれで音が軽くなったりもしますのでバランスが大切です。

自分の弓との相性

楽器屋さんに借りた弓で弾きやすい楽器でも、自分の弓との相性がよくないと意味がありません。自分の所有する弓の中で一番使い勝手の良いものとの相性も考えましょう。

見た目

最終的には見た目で判断するのもOKです。有名な奏者の方でも

この見た目の色合いが気に入って決めました

という方もいらっしゃいます。楽器購入は本当に一期一会ですので、ぱっと見で気に入って即購入したまま人生を共にすることもあります。また見た目を気に入ることで愛着がわくという点もあります。

見た目で気に入ったもので、音色が素敵だったものを購入するのは案外理にかなっているのかもしれません。

購入場所のおすすめ

購入場所は初心者ならインターネット、中級者なら楽器店がおすすめです。

初心者の買う価格帯の楽器でしたら、同じものを購入するのに楽器店の方が割高になってしまいます。最近は梱包も丁寧にされており、安心して購入することができますので、おすすめされたブランドのものでしたらインターネットで買うことをおすすめします。

中級者以上の楽器の価格帯でしたら、絶対楽器店で買うべきです。というよりも、インターネットでは中級者以上向けの楽器はほとんど販売されていません

その中でも、ヤマハやクロサワ楽器、山野楽器、島村楽器など、大手の楽器チェーン店での購入はあまりおすすめしません。なぜなら広告費や人件費にかなりのお金をかけている為楽器の値段が割高になっていることがほとんどだからです。

楽器店を探すときはバイオリンの先生に紹介してもらうか、街のバイオリン専門店を検索していくことをおすすめします。

検索する際には

「地名 バイオリン」「地名 バイオリン リペア」「地名 弦楽器」「地名 バイオリン工房」「地名 バイオリン専門店」「地名 バイオリン 販売」

などがおすすめです。

 

お店で買うなら値下げ交渉

お店で買うなら必ず値下げ交渉をすることをおすすめします。基本的に楽器店の価格は電気屋さんと同じで、値下げありきの価格になっていることがほとんどです。

予算はこれぐらいだけど、この楽器の値段を下げてくれたら買うと言えば、大体が応じてくれることがほとんどです。

しかしあまりにも極端な値下げや執拗な値下げは嫌われてしまいますので、常識の範囲内での交渉が重要です。

購入する際の注意点

セット内容の確認

初心者の場合は、セット内容を必ず確認しましょう。インターネットで買ってみて実際に送られてきてから

あっ松脂も肩当てもついていなかった!

となると、すぐに練習することはできません。

そうならない為にも以下のセットが一緒かどうか確認してから購入しましょう

初心者セットにあると良い小物

・松脂
・肩当て
・弓
・楽器ケース
・譜面台(なくても可)
・チューナー(アプリで代用可)

基本的に書いてなければ付いていないと思って間違いないと思います。初心者の人はケースや弓は基本的についているだろうという先入観がありますので、必ず確認しましょう!

できれば付き添いを先生にお願いする

バイオリンは大きな買い物です。先ほどもいったように弾いてみた感じなどは自分だけの視点ではなく、聴いている人の感想も大切になります。また、弾ける人に弾いてもらって自分がその楽器の音を聴いてみるというのも重要です。

中級者以上がお店で買う場合にはできるだけ付き添いを先生などにお願いすることが大切です。

バイオリンの選び方まとめ

バイオリンの選び方はそれぞれですが、どれがいいという訳ではなく、レベルに合わせること、また価格や先生、楽器屋さんに踊らされないことが非常に大切です。

正しい情報を取捨選択して、あなたにあった素敵なバイオリンに出会えますように!

 

 

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です