この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験談を元に作成したものです。
という方の疑問にお答えします。
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勉強時間を邪魔しない
勉強時間は音楽家にとって1番大切な時間です。勉強とはそれぞれの音楽家のジャンルによって違います。代表的なもので、
- 楽器を弾く(練習する)
- 楽譜を見て研究する(楽譜を読む)
- たくさんのCDを聴く(想像力を高め、研究する)
などがあります。楽器を弾く以外の勉強時間は、はたからみると、CDを聞いたり、楽譜をただ眺めているだけで暇そうに見えるかもしれませんが、実は頭はフル回転、真剣に分析していたり、想像力を働かせてどう表現しようか考えているのです。
勝手なものですが、この勉強時間が忙しくて取れずに本番を迎えるほど音楽家にとってストレスはありません。
稀に全く勉強しなくても本番を楽しめる方もいらっしゃいますが本当に稀です。
音楽家は練習することを「さらう」と言いますが、「さらわなきゃー」「今週のヤバイまださらってないー」は音楽家がよく使う口癖ランキング1位です。
そこで恋人のあなたには
さらう時間をしっかりと確保させてあげることがとても大切です!もし恋人との関係を続けたいのであれば、間違っても
などと言ってはいけません。
計画的にやりたいのも本人も重々承知なのですが、予想外に曲が難しかったり、どれぐらいでその曲を取得できるかは本人も取りかかってみなければわからないのです。「じゃあ早めにやれば?」と思うかもしれませんが、オーケストラによっては楽譜がもらえるのがやむを得ず1週間前や3日前などになってしまうこともあります。
恋人に「さらいたいからごめん!会えない!」と言われても、そういった状況でも演奏会に出演するために頑張っているんだなと思ってもらえると嬉しいです。
楽器を大切にする
音楽家は楽器をなによりも大切にしています。恋人の家に仕事帰りに寄ったりすると楽器を持って遊びに来ることもあるかと思いますが、無断で楽器ケースを移動させたりしてはいけません。
楽器には置く向きがあったり、楽器の種類によっては暖房の近くに置かない、湿度の高いところに置かない、直射日光に当たらないなど、保管方法も十分気をつける必要があるのです。
どうしても動かしたい時は
と聞くと良いです。おそらく恋人は「いいよー」と言わず、「ごめんごめん」と言ってあなたには触らせず自分でケースを動かすことでしょう。あなたに触らせたくない訳ではないのですが、あなたが楽器を動かした時に楽器に何かあると、あなたとの関係にヒビが入るかもしれないと考えるほど大切な楽器ということなのです。
共演者への嫉妬
「演奏会聴きにこない?」と恋人に誘われて言ったら、異性の奏者と仲良く演奏している姿に嫉妬…なんてことはありませんか?
女性はドレス姿で魅力的ですし、男性も燕尾服やタキシード でバシッと決まっていて、それで演奏も素晴らしかったら嫉妬してしまったりしますよね。
しかしそれを恋人に伝えてはいけません!
共演者に嫉妬したとしても、演奏会が終わった後は笑顔で
が大正解◎の解答です。
正直異性との共演は音楽家としては日常茶飯事でなんとも思っていないことが多く、それに対していちいち言われても「そんなんじゃ仕事できないよ!」と思うのが音楽家の本音です。そんなところに着目するよりも、せっかく演奏会に来てくれたのなら、演奏会の感想を聞きたい!と思っています。
スケジュールの都合が合わない
音楽家は世の中の皆さんの娯楽の時間に働くお仕事です。平日日中のお仕事ももちろんありますが、基本的に本番は平日の夜か、土日のお昼。サラリーマンにとってのお休みの時に働くのが音楽家です。
ですのでサラリーマンと音楽家の組み合わせは時間の都合が合わないことが多く、喧嘩の元にもなりやすいです。しかし口が裂けても
などとは言ってはいけません。どうしても時間が合わない時は、音楽家が連休の時などに有給などを使って一緒に旅行を楽しむのがいいでしょう。
他に音楽家が言われたくない言葉
他に音楽家がよく言われる言葉であまり気分が良くない言葉がいくつかあります。恋人なら言われてもそこまで嫌じゃないという人もいると思いますが、気を付けておいた方が無難でしょう。
絶対音感あるんだ?じゃあこの音は何?
これはもう言われすぎて耳にタコができるほどです。端的に言って絶対音感と言っても様々な種類があります。そして音楽を仕事にしている人でしたら、ピアノで鍵盤を弾かれて何の音?と聞かれたら受験の時などにも訓練しますのでたいていの人が分かります。テレビCMやメロディのある曲がドレミで聞こえるのも、訓練をしているのであるあるです。
机や壁などを叩いて何の音?といわれるのもよくありますが、正直これは音楽家的に「それはそもそも442Hlzで考えたときの話?」などと思っている人が大半であり、そのことについて喋りだす音楽家も厄介なので、何も聞かない方が無難です。
好きなこと仕事にできて楽しくていいなー
これも言われるとカチンとくる音楽家が多い言葉です。音楽家はたいてい幼少期から練習を積み重ねて今の職業を手にしています。悪気はなくても、楽して稼いでいるみたいなニュアンスで感じとる人が多く、喧嘩の種です。楽しいこともあれば、辛いこともあるのはどの職業でも同じですので、お互い尊敬しあえる関係を築くことが大切です。
音楽家との恋愛まとめ
結局は音楽家でなくても、どんな職業であっても、お互いのやっていることに尊敬しあえる関係でなければ長続きはしません。
音楽のことに興味を持ってくれることは音楽家にとってもとても嬉しいことですので、何か興味が湧いたことがあれば上記の注意ポイントを気にしつつ積極的に質問して仲を深めていけると良い関係が築けます。