この記事はバイオリンを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験談を元に作成したものです。
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横山令奈さんはなぜ今話題に?
コロナウィルスの影響が大変大きかったイタリアで、日本人バイオリニストの横山令奈(Lena Yokoyama)さんが話題となりました。
横山さんはイタリア北部クレモナで4月16日、新型コロナウイルス患者への治療の最前線となっている病院の依頼で、病院の屋上から演奏しました。
感染が急拡大したイタリアの中でも、クレモナは人口約36万人で感染者は5千人を超えて、900人近い死者を出しています。
医療従事者への感謝と、患者たちが再び音楽や芸術を楽しめる日が来るよう祈りを込めて演奏したそうです。
横山さんの実際の映像はこちら↓
バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番から「アルマンド」
エンニオ・モリコーネ:「ガブリエルのオーボエ」
ジョン・ウィリアムス:シンドラーのリスト
ノヴァーロ:「マメーリの賛歌」
ヴィヴァルディ:四季より「夏」から「プレスト」
横山令奈さんの住むクレモナはバイオリンの聖地
クレモナは楽器製造の中心として大変有名な聖地です。弦楽器職人は皆クレモナに修行にいきますし、一流のヴァイオリニストはクレモナの楽器を使用する人がほとんどです。
ヴァイオリンの選び方を書いた記事がありますが↓この記事の中でプロのヴァイオリニストは何億もする楽器を使用していることについて書いています。
この何億もする楽器というのは主にこのクレモナで生産されているアマティ、グァルネリ、ストラディバリウスといった楽器のことを指しています。それほどクレモナはヴァイオリンにとってなくてはならない場所です。
プロから見た横山令奈さんの凄いポイント
プロのバイオリニストである筆者から見た、横山さんの凄いなと思うポイントをまとめました。
名誉あるクレモナの病院からの依頼演奏
先ほども書きましたが、クレモナは本当にバイオリンにとってなくてはならない場所です。
もちろん、クレモナに住むイタリア人の皆さんはバイオリンに触れる機会は日本人よりも数倍ありますので耳も肥えています。そんなクレモナのイタリア人の心に届く演奏ができたということは、大変名誉あることなのです。
海外でも認められる演奏技術
先ほどのYouTubeのリンクから演奏を聴いた方はわかると思うのですが、何より海外でも認められたその演奏技術は大変素晴らしいものがあります。
コンクールにも多数入賞しており、透き通った音色と人の心に届く表現力が特に彼女の魅力です。
彼女はクレモナのヴァイオリン博物館にて展示楽器の公開演奏者を務めていますが、これもただヴァイオリンが弾ければ任せらる仕事ではありません。
ヴァイオリンはしっかりと楽器の魅力を最大限に発揮できる、楽器をしっかりと鳴らせる人にしか楽器職人は演奏を依頼しません。1人でも鳴らなくなる弾き方をしてしまう人が弾くことで、その楽器はたちまち鳴らなくなってしまいます。
つまりこの人になら任せられる!という演奏技術を持った人でないと任せてもらえる仕事ではないのです。
横山令奈さんのCDは手に入る?
先ほどのYouTubeでも大変素晴らしい演奏を聴かせて下さった横山さん。こんなに素敵な演奏だと横山さんのCDが欲しくなってしまいますよね。
病院での演奏のような横山さんのソロのCDは残念ながら見当たりませんでした。
しかし横山さんがTrio Kanonというピアノトリオのグループを結成しており、現在こちらのグループのCDでしたら入手が可能です。
ブラームス&ドヴォルザーク ピアノトリオ集
こちらはブラームスとドヴォルザーク「ドゥムキー」のピアノトリオ集です。ブラームスのピアノトリオは日本でよく演奏される1番ではなく2番。
ブラームスは特に筆者も好きなピアノトリオ曲のなかでかなり上位に入る大好きな曲です。チェロやピアノも大活躍の楽曲ですが、横山さんのヴァイオリンも充分に楽しむことができます。ドゥムキーはとてもカッコ良い仕上がり。
Amazonでサンプルを聴くことができますが、サンプルだけでも感激します。
ベートーヴェンピアノトリオ集
個人的には先ほどのブラームスとドヴォルザークのピアノトリオ集をおすすめしますが、こちらのベートーヴェンのピアノトリオ集も素敵です。
先ほどのブラームスとドヴォルザーク集はAmazonでしか販売されておりませんので、楽天とYahoo!ショッピングでお探しの方はこちらのベートーヴェンを検討されるといいかもしれません。