この記事はバイオリン&ビオラを演奏して生計を立てている、とあるバイオリニスト(@violin18media)が自身の経験を元に、絶対上達するバイオリン教本の選び方を解説します。
という方の疑問にお答えします。
バイオリン教本のおすすめをお探しの方はこちらをご覧ください↓
Contents
ビオラ教本の絶対上達する選び方とは?
まず、ビオラ教本には種類があります。大まかに分けて2種類です。この二種類を知っておかなければ、上達しません。
・スケール(音階)教本→演奏技術の基盤を取得するもの
・エチュード(練習用曲)教本→
スケールで取得した演奏技術を曲に生かすための練習曲集
音階は音階教本で、その他の技術はエチュード教本で取得するのが上達する秘訣です。
たまにエチュード教本にスケールが載っている場合もありますが、基本的にはスケールとエチュードの教本は別々で揃えるべきです。
エチュード教本の紹介
まずエチュード教本のオススメを難易度、レベル順に紹介していきます。
★☆☆初心者向け
Suzuki Viola School 1: Viola Part
世界中で愛されているバイオリン教本である、鈴木鎮一バイオリン教本のビオラバージョンです。日本語版の販売はされていないため、英語のみになりますが問題なく使用が可能です。
私はバイオリンを初心者に教える時は、必ず鈴木鎮一バイオリン教本から教えます。ビオラを初心者で始める方も鈴木鎮一の教本を弾いたことがない方はぜひこれから始めるべきです。
基本的にビオラをプロで弾いている方はバイオリンの経験がありますが、最初に収録されているキラキラ星変奏曲は、プロのバイオリニストの99%は弾いたことがあると言っても過言ではありません。Suzuki Viola Schoolは全体的に楽しい曲が多く、弾いていて飽きない内容になっています。1巻が終わると、2巻、3巻と順番に進めてください。
またピアノ伴奏の楽譜は付いていないので、伴奏付きで発表会などに出演する際には別で購入する必要があります↓ピアノは1巻と2巻がセットになっています。
★★☆中級者向け
クロイツェル教本42エチュード
初心者向けで紹介した、スズキメソードの3、4巻ごろからクロイツェルを並行してやると効果は高いです。スケールをちゃんとやりながら、クロイツェルを繰り返し最後までしっかりとやると、ヴィオラで必要な技術はある程度取得できるようになります。
後半になるにつれて、左手が大変になりますのであまり無理をしすぎない様に練習するのがポイントです。※無理をすると腱鞘炎の恐れがあります!
↓調べましたがこちらはAmazonでの取り扱いはありませんでした。
★★★上級者向け
カンパニョーリ41のカプリス
ヴィオラの為に書かれた数少ないカプリスです。音楽大学の入試試験などでは必ず課題に出る為、プロになる方は避けては通れません。こちらのカプリスをしっかりと取得することで、コンクールでもよく出題される、バルトーク、ヒンデミット、ウォルトンといったレパートリーを弾く技術が取得できます。
パガニーニ24のカプリス
バイオリンのリサイタルなどでも演奏される機会が多いほど、曲としても名曲なパガニーニの24のカプリス。実はヴィオラ版も販売されています。正直、ヴィオラでこんなに弾ける必要がないというほど、充分すぎる技術が身につきます。笑
やりすぎると腱鞘炎のもとですのでくれぐれもお気をつけください!
スケール教本の紹介
続いてスケール教本のオススメを難易度、レベル順に紹介していきます。
★☆☆、★★☆初中級者向け
ビオラ教則本
最小限の内容が要領よくまとめられており、国内の多くの教室で使用されている教本です。難しすぎず、スケールをやるには最適な教本です。バイオリンで私がいちばんおすすめしている小野アンナバイオリン教本と中身がほとんど一緒です。
このビオラ教則本の使い方を記事にしています。参考にしてみてください。
http://strings-violin.com/violascale/
★★★上級者向け
Carl Fresh Skalensystem(カール・フレッシュ スケールシステム)
難易度が高く、練習していても途中で力尽きてしまうようなむずかしさのカールフレッシュスケールシステム。実はこれのヴィオラ版もあります。
先ほどのビオラ教則本で物足りなくなった方はステップアップするには充分すぎる内容です。この本を全てちゃんとマスターするのは至難の業ですが、チャレンジする価値ありです!
こちらも腱鞘炎要注意です!
さらなる上達を目指す方に
スケールとエチュードのほかにもっと演奏技術を取得したい!というストイックな方におすすめなのは
セヴシック ヴィオラ教本
セヴシックは正直、楽しい!という練習ではなく根気が必要な物になりますが、大事な全ての技術が網羅されています。その中でも特によくやるのはOp.1、Op.8、Op.9ですね。もちろん全て練習することができれば一番良いですが、時間のない方は以下のように、自分にあったセヴシックを選ぶと良いです。
Op.1→初めてセヴシックを始める方
Op.8→ポジション移動を特化させたい方
Op.9→重音を強化させたい方
初心者の方はまずOp.1からゆっくり取得してみてください。
ヴァイオリン Basics: いつでも学べる基本練習300
こちらは比較的新しい教本でヴァイオリン用です。ヴァイオリン用なのですがほとんどの項目がヴィオラに応用することができ、大変充実した内容となっています。
内容としては家庭の医学のような、「あー喉が痛くて咳が出てるのは病状は…」と探すような感覚で、「音程を安定するには?」といった疑問を目次で探して、それを取得するための練習法が書いてあります。
しかしどちらかというと教える側の先生向け教材とも言え、生徒の「できない」に対してどの処方箋を出せばいいかを教えてくれるような本です。生徒さんでももし絶対的な悩みが決まっている人は解決策が書いてあるかもしれませんので、ぜひ見てみてください。
ビオラのおすすめ教本まとめ
ビオラの教本は正しい物をしっかり選んで、正しい使い方をすれば必ず上達します!